カードローンの一括返済・繰り上げ返済は得なの?損なの?

カードローンの繰り上げ返済は本当にやった方が良いのでしょうか。
一括返済ですみやかに完済したらそれ以降の返済がなくなり、毎月1回の返済を繰り返すよりも利息も少なくなり精神的負担も激減しますが、手元からお金がなくなるのは心もとないような気もします。
ここでは、カードローンの一括返済(繰り上げ返済)のメリット・デメリットや、実際にどれくらい利息が変わるのかシミュレーションして解説しています。
一括返済(繰り上げ返済)をすべきか迷っている方は、ぜひご覧ください。

カードローンは一括返済(繰り上げ返済)できる?
カードローンの返済は残金をまとめて一括返済することも、借入残高の一部を繰り上げ返済することもどちらも可能です。
カードローンの金利は日割りでついていくので、1日でも早く返済した方が合計利息を減らすことができるのですが、実はデメリットもあります。
カードローン 一括返済(繰り上げ返済)のメリット・デメリット
毎月の決められた日にカードローンの返済を行うことを「約定返済」といいます。約定返済と一括返済(繰り上げ返済)のメリットとデメリットを確認しましょう。
約定返済のメリットとデメリット
・最低限の金額を返済すれば良いのでお財布に優しい
・返済を口座引き落としにしておけばATMなどに行く手間がない
・返済をコツコツ行っていくことで確実な返済実績を積める
●デメリット
・返済期間が長くなる
・合計利息が多くなる
・返済が長引くと精神的な負担が大きくなる
一括返済(繰り上げ返済)のメリットとデメリット
合計利息を減らせる
返済期間が短くなる
精神的な負担が少ない
●デメリット
お財布に余裕がないと厳しい
手持ちの現金が減る不安がある
入金の手間がかかる
カードローンの一括返済(繰り上げ返済)にもデメリットはありますが、利息が少なくて済むというメリットを考えるとぜひ活用したい方法です。
約定返済は毎月必ず行わないといけないので、基本的には約定返済、お金に余裕があるときは繰り上げ返済と組み合わせるとそれぞれのメリットを活かせますね。
カードローンの一括返済(繰り上げ返済)は実際どれくらいお得?
約定返済だけで完済した場合と繰り上げ返済を行った場合の比較をしてみます。
●金利18.0%で50万円の借り入れで比較
約定返済のみで毎月1万円返済した場合と、毎月1万円+夏・冬のボーナス時に5万円ずつ繰り上げ返済した際の違いはこうなります。
約定返済のみ | 繰り上げ返済あり | |
毎月の返済額 | 10,000円 | 10,000円 |
繰り上げ返済額 | なし | 50,000円/年2回 |
返済期間と回数 | 7年10か月・94回 | 2年10か月・34回 |
返済合計金額 | 936,077円 | 635,699円 |
合計利息 | 436,077円 | 135,699円 |
約定返済のみだと気が遠くなるような期間返済を続けることになりますが、毎月の返済額は1万円という比較的無理のない金額なので、月々の返済負担は少ないです。
ただし、年に2回5万円ずつの繰り上げ返済を行った場合と比較すると、300,378円も多く利息を支払うことになります。
30万円も多く支払っていると考えると、できる範囲で積極的に繰り上げ返済を行っていきたいところですね。
消費者金融の無利息サービスも見逃せない
消費者金融が行っている30日間無利息サービスなどの無利息期間特典は本当にお得です。
当然ですが利息は元金に対してかかってくるので、返済を1度も行っていない初回借入時がもっとも金額が大きいんです。
上の表の例だと、初回返済時の元金は2,500円、利息は7,500円にもなります。
30日間無利息サービスを利用すればこの7,500円をまるごと抑えられることになります。
これからカードローンを利用しようと考えている方は、ぜひ各カードローン会社の無利息サービスにも注目してみて下さい。
カードローンの一括返済(繰り上げ返済)のやり方
カードローンの一括返済(繰り上げ返済)は、自動契約機(無人契約機)、店頭窓口、提携ATM、ネット振り込みなどで行います。
一部繰り上げ返済、追加返済はいつも利用しているATMやネット振り込みで返済可能なのですが、一括返済場合は消費者金融や銀行によっては事前に電話での問い合わせが必要になることがあります。
利息は日々変わるので、一括返済をする日の借入残高を正確に知るためにも電話で問い合わせた方が良いでしょう。
金融機関別 一括返済の方法
●アコム
アコムATM、提携ATM、店頭窓口、銀行口座からの振り込み、ネット入金で支払い可能です。
●アイフル
アイフル店舗か銀行振込のみの対応となります。一括返済の予定が立ったらアイフルに電話で連絡をして、返済予定日の一括最終返済金額を確認してください。
●プロミス
まずはプロミスのフリーコールに電話をして、返済額を確認してください。一括返済はプロミスATM、提携ATM、ネット入金などでできます。
●三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」
三菱UFJ銀行ATMか振り込みで、一括返済したい日に必要金額を入金すればOKです。返済総額は会員ページでも確認可能ですし、三菱UFJ銀行のフリーダイヤルでも教えてもらえます。
●三井住友銀行カードローン
三井住友銀行に電話で返済金額を確認してから銀行振込、ネット入金などで返済します。
●みずほ銀行カードローン
みずほ銀行の店頭で支払いを行います。みずほ銀行の口座がインターネット支店の方は、フリーダイヤルに問い合わせが必要です。
●住信SBIネット銀行カードローン
ウェブサイトかモバイルサイトにログインするとカードローンのページに追加返済画面があるので、そちらから一括返済を行います。住信SBIネット銀行カードローンはATMによる一括返済はできないのでご注意を。
●楽天銀行カードローン
完済金額は楽天銀行のメンバーズデスクウェブサイトで確認できます。入金は振り込みか、ネット入金で行います。
●じぶん銀行カードローン
まずはじぶん銀行カードローンセンターに電話をします。完済の金額は会員ページにログインして[利用状況照会]で確認できます。
カードローンのATM一括返済 硬貨はどうなる?
借り入れ残高が1,000円未満になったら返済はどうすれば良いのでしょうか?小銭で払う??
実は、1,000円未満の借り入れ残高は、金融機関によって扱いが異なります。
●利息適用外残高になる
硬貨入金対応していないATMで1,000円未満の残高がある借り入れを一括返済する場合、端数を返済できないことになります。
この1,000円未満の借り入れは、返済期日もない、利息もつかない「利息適用外残高」となります。
返済方法は銀行口座からの引き落としや、1,000円未満も入金できるネット入金などで行います。
返済を口座引き落としにしている方はこちらが便利ですね。
●多く支払った分が返金される
端数を支払うために返済必要額以上の金額を振り込んだ場合は、指定の銀行口座に返金があります。
利用している金融機関によって端数の扱いは変わるので、一括返済したいと思ってもどうしたら良いかわからない場合がほとんどだと思います。
カードローンをスッキリ完済するためにも、やはり事前に電話して返済総額と端数の取り扱いを確認した方が良さそうですね。
カードローンの一括返済をしたら解約扱いになるの?
一括返済をしただけでは借りたお金を返しただけにすぎないので、カードローンの解約にはなりません。
●また借り入れをするかもしれない場合は?
また借り入れを行うことが想定できるなら、特に手続きすることはないので、ローンカードは手元に保管しておきましょう。
次にカードローンを利用する際も、特に消費者金融や銀行に連絡する必要はありません。
また、この場合、1度完済しているという大きな返済実績があるので、利用限度額が上がり金利が下がる可能性があります。
ただし、契約状態が続いていると信用情報にその旨の記載が続くので、実際の借り入れはなくてもカードローン利用者ということになります。
住宅ローンなどの審査が厳しいローンで不利になる可能性もありますので予定がある方はカードローンの解約を検討してください。
●もうカードローンは利用しないつもりなら?
もう借り入れをするつもりがないなら、思い切ってカードローンを解約をした方が「つい借りてしまうリスク」を回避することができます。
カードローンを一括返済すると、毎月の返済もゼロになりますし利用限度額にまるごと空きができることになります。
気持ちにも余裕ができるので、せっかく完済したのにまたつい借りてしまうというパターンがとても多いんです。
カードローンごと解約してしまえば、このリスクを減らすことができます。
ただ、解約すると精神的にスッキリできますが、またそのカードローンを利用したいと思ったら再度申し込みをして再審査が必要になることも覚えておいてくださいね。
カードローンの一括返済(繰り上げ返済)は無理のないように
既にカードローンを利用しているなら、1日でも早く完済した方が利息が少なくて済みます。
これはどのカードローンを利用していても共通する繰り上げ返済のメリットです。
ただし、カードローンは約定返済日に最少返済額を返してさえいれば、契約違反になったり催促されるようなことはありません。
仮に最少返済額が毎月3,000円だとしたら、3,000円だけ返していても全く問題はないのです。
繰り上げ返済はメリットがとても大きいので、ぜひ積極的にやっておきたいのですが、今月がんばって繰り上げ返済をしたためにお金がなくなってしまい、来月の約定返済ができなくなってしまったら遅延損害金が発生してしまう可能性もあります。
信用情報に延滞履歴が載ってしまうと1年~5年は消えないので、繰り上げ返済は経済事情をしっかり確認して無理がないようだったら実施しましょう。
⇒指定信用情報機関とは(JICC・CIC・全国銀行信用情報センター)開示方法も解説
また、先月の約定返済日に2か月分の返済をしたとします。
自分では2か月分と考えていたとしても、実際の扱いは「1月分の約定返済+繰り上げ返済」という形になっているので、今月の約定返済日に最少返済額を入金しないと返済されていないということになります。
約定返済と繰り上げ返済は全く別扱いなので、優先すべきは約定返済を延滞しないことです。
できれば繰り上げ返済・一括返済をした方が良いのですが、まずは約定返済、そのうえで余裕があったら繰り上げ返済を積極的に行うようにしましょう。
カードローンの一括返済(繰り上げ返済)をしない方が良いパターン
一括返済(繰り上げ返済)は経済的に苦しいとき、直近で大きなお金が必要になるときにはやるべきではありません。
具体的には
・慢性的に家計がギリギリ
・結婚式のご祝儀、旅行など大きめのお金が必要なイベントがある
・お正月、ゴールデンウィークなど季節的なイベントが近い
・転職を控えている
・今月、来月のクレジットカードの支払い金額が大きい
など
こういう時期は約定返済で乗り切って、余裕ができてから一括返済(繰り上げ返済)を検討しましょう。
くれぐれも一括返済・繰り上げ返済をしたために次月の約定返済が滞るようなことがないように返済計画を立てて下さいね。
