国からお金を借りる方法!貸付制度まとめ

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国から個人がお金を借りるってあまりイメージがわかないかもしれませんが、実は個人向けの公的融資も行っているのです。

国からの借り入れなので、貸付対象者が限られたり、融資までに時間がかかるなどのデメリットもありますが、貸付金利は消費者金融や銀行カードローンに比べて超・超・低金利で、なんと無利息でお金を借りれる場合もあります。

こういった国の貸付制度は知っておいて損することはありませんので、この機会にぜひお勉強しましょう!

ここでは、複数の国からお金を借りる方法を解説します。


もくじ

日本政策金融公庫でお金を借りる

日本政策金融公庫は日本政府が100%出資して作られている金融機関です。日本の公庫になるので、中小規模向けの事業性資金としての貸付も行っています。

日本政策金融公庫の融資には

・国の教育ローン
・国民生活事業の融資

2つの柱があります。

国の教育ローン

限度額は350万円(海外留学資金などの一部は450万円)、金利は年1.76%の固定でお金を借りることができる教育ローンです。

ちなみに消費者金融の金利は18.0%の場合が多いので超低金利ですよね。

国がやっている教育ローンなので、世帯年収が低い場合には優遇制度があります。

逆に世帯年収が高い場合は、扶養している子供の数によって借り入れ可能かどうかが変わります。

★扶養している子供の数と世帯年数の上限

子供の数 世帯年収の上限
1人 790万円(590万円)
2人 890万円(680万円)
3人 990万円(770万円)
4人 1,090万円(870万円)
5人 1,190万円(970万円)

※()の金額は、事業所得者の場合の所得上限額になります。
 これ以外にも世帯年収の上限が緩和されることもあります。
 返済期間は最長15年になります。

例)国の教育ローンで100万円を借りて、10年間で返済した場合
毎月の返済額:9,200円
総支払い回数:119回
総返済額:1,090,600円

10年かけて返済しても利息が90,600円ですから、本当に国の教育ローンは超低金利ですよ!

その他の国の教育ローンのポイントは、

・申し込みから20日程度で入金される
・学費だけでなく、パソコンの購入費、定期代、アパートの敷金・礼金などにも利用可能
・受験前でも申し込み可能
・連帯保証人は不要ですが別途保証料が必要。連帯保証人を立てれば保証料は不要
・受付はネットから24時間365日可能!

などなど。

<参考>:日本政策金融公庫 教育一般貸付 (国の教育ローン)

国民生活事業の融資

国民生活事業の融資は簡単に言うと、中小規模事業者向けのローンになります。

利用者の約9割が従業員数9名以下の小規模事業者で、平均融資残高は698万円となっています。

この事業者向けの融資は貸付け制度が細かく分かれていて、該当する項目を選択して審査を受けるような形になります。

国が事業者を支援する形の貸付けになるので、審査の基準はやや緩めと言われています。

それぞれ、()の中は、貸付けの種類からさらに細分化される項目の種目数になります。

●普通貸付(1種類)
ほとんどの事業者が申し込み可能ですが、金融業、投機的事業、一部の遊興娯楽業等の業種が利用不可となっています。

●セーフティネット貸付(3種類)
売り上げが減少している、資金繰りが困難、経営が困難な場合等にお金を借りれます。

●新企業育成貸付(5種類)
新規で事業を始める方、事業開始後7年未満の方や、女性、経営多角化、新規事業分野の開拓などのための貸付です。

●企業活力強化貸付(8種類)
飲食店、小売業の店舗新築・増築、IT化への投資、海外展開、事業を継承する、非正規雇用の処遇改善への取り組みなどのための貸付です。

●環境・エネルギー対策貸付(2種類)
非化石エネルギー設備や省エネルギー効果の高い設備の導入、防災に資する施設の整備などのための貸付です。

●企業再生貸付(1種類)
中小企業再生支援協議会の関与、民事再生法に基づく再生計画の認可等によって企業の再建を図る方がお金を借りることができます。

●その他の融資制度(11種類)
・食品貸付
・東日本大震災復興特別貸付
・平成28年熊本地震特別貸付
・災害貸付
・マル経融資(小規模事業者経営改善資金)
・小規模事業者経営発達支援資金
・設備資金貸付利率特例制度
・担保を不要とする融資
・新創業融資制度
・挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)
・経営者保証免除特例制度
の11種類があります。

●生活衛生貸付(10種類)
生活衛生関係の事業、バリアフリー化、店舗の防火安全の確保、アスベストの除去および耐震診断・耐震改修などのための貸付け。

●恩給・共済年金担保融資(1種類)
恩給、共済年金や厚生年金、災害補償年金などを受けている方向けの貸付け

このほかにも、中小企業向けの長期事業資金貸付け、農林漁業や食品産業向けの事業資金もあります。

<参考>:日本政策金融公庫 融資制度一覧から探す

日本政策金融公庫からお金を借りる場合は、目的が「事業」「教育」のどちらかに分かれることになりますが、とりあえずどちらかに該当すれば選択できる範囲はかなり広いですよ。

いずれも銀行の目的別ローンよりも、国の場合は低金利でお金を借りることができるので、まずは日本政策金融公庫から検討してみてはいかがでしょうか。

生活福祉資金貸付制度でお金を借りる

生活福祉資金貸付制度は厚生労働省が管轄していて、貸付窓口は各都道府県・市町村の社会福祉協議会でとなっています。

事業や教育ローンではなく、低所得者向けの貸付をお探しの方には生活福祉資金貸付制度があっていると思います。

★生活福祉資金貸付制度の対象者

低所得者世帯 必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)
障害者世帯 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者等の属する世帯
高齢者世帯 65歳以上の高齢者の属する世帯

 
低所得者世帯の場合、市町村民税が非課税程度であれば対象者になるので、生活保護受給者なども審査対象です。

生活福祉資金貸付制度 貸付の種類

●総合支援資金
生活支援、住宅入居費、一時生活再建費の3種類

●福祉資金
福祉費、緊急小口資金の2種類

●教育支援資金
教育支援費、就学支度費の2種類

●不動産担保型生活資金
不動産担保型生活資金、要保護世帯向け不動産担保型生活資金の2種類

★資金の種類と貸付限度額

資金の種類 貸付限度額
総合支援資金 生活支援費 <二人以上>月20万円以内
<単身>月15万円以内
住宅入居費 40万円以内
一時生活再建費 60万円以内
福祉資金 福祉費 580万円以内
※資金の用途に応じて上限目安額を設定
緊急小口資金 10万円以内
教育支援資金 教育支援費 <高校>月3.5万円以内
<高専>月6万円以内
<短大>月6万円以内
<大学>月6.5万円以内
※特に必要と認める場合は、各上限額の1.5倍まで貸付可能
就学支度費 50万円以内
不動産担保型生活資金 不動産担保型生活資金 ・土地の評価額の70%程度
・月30万円以内
・貸付期間:借受人の死亡時までの期間又は貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間
要保護世帯向け不動産担保型生活資金 ・土地及び建物の評価額の70%程度(集合住宅の場合は50%)
・生活扶助額の1.5倍以内
・貸付期間:借受人の死亡時までの期間又は貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間

 

生活福祉資金貸付制度 金利は?

生活福祉資金貸付制度の金利は貸付けの種類、保証人のあり・なしによって変わります。
 

資金の種類 金利
総合支援資金 生活支援費 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.5%
住宅入居費
一時生活再建費
福祉資金 福祉費 保証人あり:無利子
保証人なし:年1.5%
緊急小口資金
教育支援資金 教育支援費 無利子
就学支度費
不動産担保型生活資金 不動産担保型生活資金 年3%、又は長期プライムレートのいずれか低い利率
要保護世帯向け不動産担保型生活資金

 
このご時世なので保証人を立てるのは大変かもしれませんが、立てることができれば無利子でお金を借りられる種類もあります。

なお保証人は、原則同一都道府県に居住していて生計が別になっている者が対象となります。

生活福祉資金貸付制度をお金を借りるには?

生活福祉資金貸付制度を利用可能な「低所得世帯」の基準は、地域によって異なるため、まずは最寄りの社会福祉協議会への相談となります。

そのため相談しても確実に融資を受けられるとは限らないですし、SNSでも相談に行ったけど「審査が難しいですよ」とハードルを上げられたとの声もあります。

しかしその一方で、「以前と比べたら相談しやすくなった」といった声もあるので、困っている方はぜひ相談してみて下さい。

★生活福祉資金貸付制度の相談先
都道府県・指定都市社会福祉協議会ホームページ

母子父子寡婦福祉資金貸付金でお金を借りる

母子父子寡婦福祉資金貸付金は、20歳以下の子供を扶養している母子家庭、父子家庭の親、寡婦などが本人の就労、子供の就学などで資金が必要なときにお金を借りることができる制度です。

シングルマザー、シングルファザーはこちらをご検討下さい。

管轄は厚生労働省、相談先は地方公共団体の福祉担当窓口となります。

母子父子寡婦福祉資金貸付金 資金の種類

母子父子寡婦福祉資金貸付金も貸付けの種類が細かいのですが、金利は0~1.0%と超低金利です。

それぞれ、母子家庭の母・父本人(または団体、寡婦)がお金を借りられる種類と、その子供がお金を借りられるものがありますので、対象者にご注意下さい。

事業開始資金

事業の開始に必要な設備等の購入資金として利用できます。

・対象者:母子家庭の母、父子家庭の父、母子・父子福祉団体、寡婦
・限度額:2,850,000円(団体4,290,000円)
・返済期間:7年以内(据置期間:1年)
・利率:保証人あり 無利子/保証人なし 年1.0%

事業継続資金

現在営んでいる事業の継続のために必要な商品や材料等を購入する運転資金として利用できます。

・対象者:母子家庭の母、父子家庭の父、母子・父子福祉団体、寡婦
・限度額:1,430,000円(団体1,430,000円)
・返済期間:7年以内(据置期間:6か月)
・利率:保証人あり 無利子/保証人なし 年1.0%

修学資金

高等学校、大学、高等専門学校又は専修学校に就学させるための授業料、書籍代、交通費等に必要な資金として利用できます。

連帯保証人をつけなくても無利息ですが、親に貸付ける場合は児童が連帯借受人となります。児童に貸付ける場合は親等が連帯保証人となります。

・対象者:母子家庭の母が扶養する児童、父子家庭の父が扶養する児童、父母のない児童、寡婦が扶養する子
・限度額(私立の自宅外通学の場合の限度額の例)
高校、専修学校(高等課程):月額52,500円
高等専門学校:
 1~3年 月額52,500円
 4~5年 月額90,000円
短期大学、専修学校(専門課程):月額90,000円
大学: 月額96,000円
専修学校(一般課程):月額48,000円

・返済期間:20年以内(据置期間:該当学校卒業後 6ヶ月)
・利率:無利子

技能習得資金

自ら事業を開始する、または会社等に就職するために必要な知識技能、運転免許を習得するために必要な資金として利用できます。

・対象者:母子家庭の母、父子家庭の父、寡婦
・限度額:月額68,000円、一括816,000円(12か月分相当)/運転免許資金の場合460,000円
・返済期間:20年以内(据置期間:知識技能習得後1年)
・利率:保証人あり 無利子/保証人なし 年1.0%

修業資金

事業を始める、または就職するために必要な知識技能を習得するために必要な資金として利用できます。

・対象者:母子家庭の母が扶養する児童、父子家庭の父が扶養する児童、父母のない児童、寡婦が扶養する子
・限度額:68,000円(特別 460,000円)
・返済期間:6年以内(据置期間:技能習得後1年)
・利率:「修学資金」と同様

就職支度資金

就職するために直接必要な被服、履物等及び通勤用自動車等を購入する資金として利用できます。

・対象者:母子家庭の母又は児童、父子家庭の父又は児童、父母のない児童、寡婦
・限度額:100,000円(特別 330,000円)
・返済期間:6年以内(据置期間:1年)
・利率:親に係る貸付けの場合
保証人あり 無利子/保証人なし 年1.0%
児童に係る貸付けの場合は「修学資金」と同じ

医療介護資金

医療又は介護を受けるために必要な資金として利用できます。

・対象者:母子家庭の母又は児童(介護の場合は児童を除く)、父子家庭の父又は児童(介護の場合は児童を除く)、寡婦
・限度額:医療340,000円/特別480,000円/介護500,000円
・返済期間:5年以内(据置期間:6か月)
・利率:保証人あり 無利子/保証人なし 年1.0%

生活資金

母子家庭又は父子家庭になって間もない(7年未満)者が、知識技能を習得している間や医療若しくは介護を受けている間の生活を安定・継続する間(生活安定期間)または失業中の生活を安定・継続するのに必要な生活補給資金となります。

・対象者:母子家庭の母、父子家庭の父又は児童、寡婦
・限度額:【一般】月額 103,000円/【技能】月額 141,000円
・返済期間:
技能習得 20年以内
医療又は介護 5年以内
生活安定貸付 8年以内
失業 5年以内
(据置期間:それぞれ6か月間)
・利率:保証人あり 無利子/保証人なし 年1.0%

住宅資金

住宅の建設、購入、補修、保全、改築、増築するのに必要な資金として利用可能。

・対象者:母子家庭の母、父子家庭の父、寡婦
・限度額:1,500,000円(特別 2,000,000円)
・返済期間:6年以内/特別7年以内(据置期間:6か月)
・利率:保証人あり 無利子/保証人なし 年1.0%

転宅資金

住宅を移転するため住宅の貸借に際し必要な資金

・対象者:母子家庭の母、父子家庭の父、寡婦
・限度額:260,000円
・返済期間:3年以内(据置期間:6か月)
・利率:保証人あり 無利子/保証人なし 年1.0%

就学支度資金

就学、修業するために必要な被服等の購入に必要な資金

・対象者:母子家庭の母が扶養する児童、父子家庭の父が扶養する児童、父母のない児童、寡婦が扶養する子
・限度額:
小学校 40,600円
中学校 47,400円
国公立高校等 160,000円
修業施設 100,000円
私立高校等 420,000円
国公立大学・短大等 380,000円
私立大学・短大等 590,000円

・返済期間:就学 20年以内/修業 5年以内(据置期間:それぞれ6ヶ月)
・利率:「修学資金」と同様

結婚資金

母子家庭の母又は父子家庭の父が扶養する児童及び寡婦が扶養する、20歳以上の子の婚姻に際し必要な資金として利用できます。

・対象者:母子家庭の母、父子家庭の父、寡婦
・限度額:300,000円
・返済期間:5年以内(据置期間:6か月)
・利率:保証人あり 無利子/保証人なし 年1.0%

<参考>:母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の利用方法 -内閣府男女共同参画局-

年金担保融資制度でお金を借りる

年金受給者を対象とした独立行政法人福祉医療機構(WAM)からお金を借りる方法になります。

年金を担保にして、保健・医療、介護・福祉、住宅改修、冠婚葬祭、生活必需物品の購入支援等、一時的な小口融資が必要な場合にお金を借りれます。

年金受給者の方がどうしても借り入れが必要な場合は、まずは金利が高いカードローンでお金を借りるよりも年金担保融資制度を検討することをおすすめします。

年金担保貸付の注意点

年金を担保にお金を借りる際はくれぐれもご注意下さいね。

年金担保融資制度は受付終了が決定している

年金担保融資制度は平成34年3月末日で申込受付を終了することが決まっています。平成30年7月30日にWAMの方でも正式発表をしていますので、申し込み前にご一読下さい。

<参考>:年金担保融資制度は平成34年3月末の予定で申込受付を終了します -WAM-

なお、受付が終了するからといって、これから申し込む方もすでに借りている方も、繰り上げ返済を行う必要はありません。

受付終了後の相談先は「自立相談支援機」となります。

また、審査要件を満たす方は、上でご紹介した「生活福祉資金貸付制度」が利用可能です。

年金担保融資制度は年金を担保に融資を受けられる唯一の制度

年金担保融資制度は、国民年金、厚生年金保険、労働者災害補償保険の年金を担保として融資することが法律で唯一認められた制度です。

消費者金融などが年金を担保にお金を貸すことはありません。

もし「ウチなら年金を担保にしてくれたら融資できるのですが・・・」などと言ってくる貸金業者がいたら違法業者を疑ってください。

平成34年に年金担保融資制度が廃止になることで、これから先も年金受給者を狙う詐欺が増える可能性もあります。くれぐれもご注意下さいね。

全国健康保険協会 お葬式代の公的支給

借り入れではなく支給になりますが簡単にご紹介します。

全国健康保険協会の加入者が亡くなったときは、埋葬を行う人に埋葬料か埋葬費として5万円の支給があります。

埋葬料を受け取れる人がいればその人に、いない場合は埋葬を行った人に5万円が支給されることになります。

加入者の被扶養者が亡くなったときは、被保険者に家族埋葬料として5万円の支給があります。

被保険者が資格喪失後に亡くなった場合も支給される場合があるので、確認してみて下さい。

<参考>:ご本人・ご家族が亡くなったとき -全国健康保険協会-

高額医療費制度、介護休業給付、育児休業給付などもそうですが、公的な給付金は他にもあります。

必要な際には行政や支援センターから教えてもらえることもありますが、事前に知っておくと慌てて申請せずに済みますよ。

国からお金を借りる方法のまとめ

公的貸付けは消費者金融などと比べると、

・国の場合は審査が厳しいことがある
・対象者が限られる
・国の場合は融資までに時間がかかる
・担当者の態度が悪いことがある(希望者はお客様ではないため)
・国からの借入は必要書類が煩雑

など、国からお金を借りる際はデメリットがありますが、とにかく低金利・無利息でお金を借りられることもあるのが大きな魅力です。

もしも公的貸付の対象になるなら、消費者金融からお金借りる前にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

年金の不正受給問題などが発生したことで、公的融資や給付に対する国民の目は厳しくなっていますが、本当に困っているときには遠慮せずに、国からの融資を利用すべきだと思います。


 
 
     

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