アコムはなぜ銀行カードローンの保証会社をしているの?

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銀行カードローンの申し込み条件に、よく「保証会社の保証を受けられること」と書いてあるのをご存知でしょうか?

また、銀行カードローンの申し込み規約を確認していて、保証会社の欄に「アコム株式会社」と書かれていて不思議に感じた人もいるのではないでしょうか。

みんなが知っているあのアコムは、銀行カードローンの保証会社という別の顔も持っています。

ここでは、なぜアコムが銀行カードローンの保証会社になっているのか、アコムが保証をしている銀行カードローンに申し込む際の注意点や審査難易度などを解説していきます。


もくじ

銀行カードローンの保証会社とは?

アコムがカードローン業務を行なっていることはみんな知っていると思いますが、アコムは三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」などの銀行カードローンの保証業務も行なっています。

⇒アコムと三菱UFJ銀行カードローンバンクイックの関係を解説

この保証会社の業務は主に2つあります。

保証を履行する「代位弁済」

保証会社は、利用者が長期滞納をした場合に、保証を請け負っている金融機関に債務の残りを一括返済します。

例えば、100万円借りて20万円を返済した時点で一定期間滞納してしまった場合に、保証会社は残債の80万円を金融機関に一括返済するのです。

この、利用者に代わって一括返済することを「代位弁済」と言い、代位弁済は保証会社の重要な役割となっています。

審査業務

保証会社のもうひとつの業務が、カードローン等の審査です。

保証会社が実際にお金を貸すわけではないのですが、申込者が安全に融資を行える人物なのかを金融機関に代わって審査を行います。保証会社は申込者の返済能力も保証していることになります。

現在は銀行カードローン商品も増えていますが、もともと銀行は個人向けカードローンは行なっておらず、審査の知識や技術があまりありませんでした。

アコムのような消費者金融は個人向けの小口融資を専門にしているので、スピード審査も得意です。

また保証会社は、万が一の時に代位弁済を行わないといけないため、申込者の返済能力を審査する必要があります。

保証会社はこれらの保証に関する業務を一手に引き受けることで、銀行から保証料を受け取ることができますし、銀行は万が一返済不能になった場合のリスクなしで融資ができるため、双方にメリットがある関係となっているのです。

代位弁済されたら返済しなくて良いの?

代位弁済が行われると、借りたお金は金融機関に一括返済されることになるのですが、その後、利用者は返済しなくても良いのでしょうか?

結論から言うと、そんな都合の良い話はありません。

例えば、三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」で借りたお金で代位弁済が行われたとします。

この場合、三菱UFJ銀行への返済は済んでいるので、お金を借りた本人は銀行に返済をする必要はありません。

しかし、代位弁済が行われると債権は保証会社に移ることになり、今度は保証会社から請求を受けることになります。

しかもすでに代位弁済が行われているため「期限の利益の損失」となり、残債の分割払いは認められず一括返済を求められることになります。

このことはアコム会員規約の「第12条(期限の利益の喪失)」の3に記載されています。

3.前二項に定めるほか、次に定める会員が、本規約に基づく債務であるかを問わず当社に対する債務(ショッピング等の利用代金を除く。)の支払を遅滞したときは、当該会員は、当社からの通知、催告がなくても当然に当社に対する債務について期限の利益を失い、残債務全額をただちに支払うものとします。

引用元:アコム「AC会員規約」

代位弁済が行われると一括返済を求められる

代位弁済は借金の肩代わりと同じなので、代わりに払ってくれた保証会社に一括返済をしなければいけません。

しかし、利用者は分割払いができなかったために長期延滞したことになるので、一括返済を行うのは非常に難しいでしょう。

交渉をすることで分割払いにしてもらうこともできなくはないのですが、弁護士などの専門家に依頼することになります。

また、債務整理を行なって利息をカットしてもらったり、元金を減らしてもらうなどの方法もあります。

代位弁済が行われるとブラックリスト入りします

代位弁済が行われるということは、著しい金融事故を起こしたことになるため、そのことが信用情報機関に記録として残りブラックリスト入りすることになります。

代位弁済によるブラックリストの期間は最長で5年間です。

ブラックリスト入りしている間は、ローン審査にも通りませんしクレジットカードを作ることもできません。

いずれにしてもこういったことにならないように、長期延滞は避けたいですね。

アコムが保証会社となっている銀行は?

2021年2月現在、アコムは銀行30行の保証会社となっています。

▼アコム提携金融機関(30行)
北海道銀行
広島銀行
スルガ銀行
十六銀行
青森銀行
八十二銀行
西本シティ銀行
長崎銀行
南都銀行
北陸銀行
常陽銀行
群馬銀行
岩手銀行
三菱UFJ銀行
山形銀行
じぶん銀行
セブン銀行
伊予銀行
第三銀行
百十四銀行
宮崎銀行
武蔵野銀行
中京銀行
足利銀行
鳥取銀行
大分銀行
四国銀行
ソニー銀行
琉球銀行
山梨中央銀行

アコムがはじめに保証業務で提携をしたのは北海道銀行で、2001年5月より保証会社となっています。

以降、都市銀行の三菱UFJ銀行をはじめ、銀行との提携を精力的に続けています。

アコムは保証会社の「エム・ユー信用保証株式会社(MUCG)」を設立しています

アコムは、個人向け無担保ローンの保証業務を受託する会社として、三菱UFJ銀行と共同運営で「エム・ユー信用保証株式会社(MUCG)」を運営しています。

エム・ユー信用保証株式会社(MUCG)はアコムの完全子会社となっていて、2021年現在、以下の25行の保証業務を行なっています。

▼エム・ユー信用保証株式会社の提携金融機関(25行)
秋田銀行
阿波銀行
池田泉州銀行
鹿児島銀行
北九州銀行
紀陽銀行
佐賀銀行
山陰合同銀行
滋賀銀行
静岡銀行
七十七銀行
十八親和銀行
第四北越銀行
筑邦銀行
千葉銀行
東邦銀行
栃木銀行
百五銀行
百十四銀行
福井銀行
北洋銀行
武蔵野銀行
もみじ銀行
山口銀行
三菱UFJ銀行

もし、申し込みをしたカードローンの保証会社がエム・ユー信用保証株式会社だった場合は、審査を行うのはアコムの子会社ということを頭に入れておくと良いですよ。

アコムはどうやって銀行カードローンの審査をしているの?

審査に関する内容は銀行も保証会社も非公開にしているため、審査通過の条件や基準は推測になるのですが、確実に行われているのは信用情報機関に記録されている「個人信用情報」と「属性」などから返済能力を判断することです。

信用情報からカードローン審査を行う

信用情報にはクレジットカードやローンの利用状況、支払い状況、延滞状況などのあらゆる情報が保管されています。

信用情報を確認すれば、その人のお金に対する姿勢がわかると言っても過言ではありません。

例えば、プロミスでお金を借りたことがあって1ヶ月だけ延滞したことがある場合、この延滞記録はプロミスを解約しても延滞が解消されてから最長5年間記録されることになります。

そのため、このたった1回の延滞のせいでアコムのカードローン審査に通らないということも実際にあります。

また、
・支払い不能となりクレジットカードを強制解約させられた
・支払い不能となり代位弁済がお紺割れた
・債務整理を行なった
などの金融トラブルも、信用情報を悪くする原因になります。

属性から審査を行う

属性とは、その人の職業、居住環境、家族構成、勤続年数、年収、健康保険の種類などの情報です。

住宅ローンの審査になると、健康状態も重要になります。

属性はそう簡単に変えられるものではないため、今後の返済能力に直結することになります。

例えば、年齢で考えてみましょう。

年齢が若いほど返済能力も高いように感じられますが、20歳前半だとまだ社会人になって日が浅いため無茶なお金の使い方をする可能性も高くなります。

逆に年齢が上がると収入も増える傾向にありますが、扶養家族が増えたり住宅ローンを抱えるなど、出費が増えることになります。

職業では、公務員がいちばん有利です。

なぜなら、公務員は安定した収入が約束されているから。一般のお仕事よりも離職率も低いですし、返済能力が高いと判断されるのです。

年収も高いほうが有利ですが、アコムの審査には年収制限はありません。

年収の高さ以上に、安定していることが重要となります。

アコムの返済期日は毎月1回なので、年に数回大きなお金が入ってくるような不安定な職業よりも、パート・アルバイトで年収が低くても、毎月1回安定してお給料をもらえることのほうが重要なのです。

アコムが保証会社なら審査は甘くなるって本当?

アコムやアコムの子会社が保証会社になっているからといって、銀行カードローンの審査を消費者金融のアコムと同じ基準で行うことはありません。

そういう意味では、審査が甘いとは言えないでしょう。

ただし、金融機関も保証会社も、カードローン利用者が支払う利息で利益を得ているため、基本的にはたくさんの人にお金を借りてほしいと思っています。

アコムが返済に多少不安がある人を厳しく審査してどんどん否決にしてしまうと、お金を借りる人が極端に少なくなってしまい銀行からクレームが来るでしょう。

アコムにも保証料が入ってこなくなってしまいます。

アコムのローン事業の利用者数は2020年12月時点で150万件2千件を超えていて、過去にこれだけの審査を行ってきたことになります。

この審査実績を活かして、返済可能と思われる範囲での貸付を行なってくれるので、基本的には、過去にカードローンやクレジットカードの返済を延滞したことがなく、安定した収入がある人でしたら、そこまで審査を心配する必要はありません。

アコムが審査をする銀行カードローンなら即日融資ができる?

アコムからお金を借りる場合は最短30分で審査結果が出て、申し込みをしたその日のうちにお金を借りる即日融資も可能です。

しかし、アコムが行う銀行カードローンであっても即日融資で借りることはできません。

ただしこれは、アコムの審査スピードが遅いということではなく、銀行全体が自主規制を行なっていることと、銀行カードローンのルール改正によるものです。

銀行カードローン全体の審査が厳格化され、どの金融機関であっても即日融資は不可となったのです。

審査が厳しく行われるようになった理由は、多重債務と過剰融資を防ぐためです。

また、2018年1月からは審査の際に警察庁のデータベースを照会することも審査項目に加わりました。

これは、一般向けというよりも反社会的勢力にお金を貸すことを防ぐことが目的となっています。

こういった背景から、銀行カードローンはどんなに早くても審査結果が出るのは翌営業日で、長い時には借り入れまでに2週間程度かかることもあります。

⇒アコムは即日融資可能?申し込み当日に借入する方法

カードローンの保証会社を確認する方法はある?

利用したい銀行カードローンの保証会社を調べる方法はとても簡単です。

保証会社がついている銀行カードローンの場合、保証会社は銀行の公式サイトにある利用規約や申込書に必ず記載されていますので、探しみると見つかると思います。

保証会社がついている銀行カードローンに申し込みをする際は「保証会社の保証を受けられること」というのが申し込み条件のひとつになるので、必ず記載があるはずなんです。

例えば三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」の場合は、以下のような記載があります。

年齢が満20歳以上65歳未満の国内に居住する個人のお客さまで、原則安定した収入があり、保証会社(アコム(株))の保証を受けられるお客さまがお申し込みいただけます。

引用元:三菱UFJ銀行 カードローン「バンクイック」 のお申し込みにあたってのご注意

どの会社が保証会社となるのかは必ず記載されていますので、申し込み前に確認してみると良いでしょう。

アコムが保証会社の銀行カードローンに申し込む注意点

これはぜひ覚えておきたいことなのですが、アコムの返済を延滞すると、アコムが保証会社となっている銀行カードローン審査に影響してしまいます。

アコムでお金を借りたことがある人が、アコムやエム・ユー信用保証株式会社が保証会社となっているカードローンでお金を借りるとします。

この場合、過去のアコムの借り入れで延滞したことがある場合は、審査に通過することはできません。

信用情報機関に記載されている延滞情報などは一定期間経過すると記録が消えます。

アコムで延滞したことがある場合、アコム社内と信用情報機関に延滞情報が記録されるのですが、信用情報機関に登録された延滞記録は延滞が解消されてから最長5年で解消されることになります。

しかし、アコムの社内に残っている情報には保有期限が設けられていないので、半永久的に残ることになります。

過去にアコムで延滞していると、「この人にお金を貸してもまた延滞するのでは・・・」と思われてしまい、審査で弾かれる可能性が高くなるのです。

そのため、こういった心当たりがある場合は、アコムやエム・ユー信用保証株式会社が保証業務を行なっていないカードローンを探すと良いでしょう。

ローンにおいて保証会社の裁量は大きい(まとめ)

保証会社について見てきましたが、実際にお金を貸す銀行よりも保証会社の方が裁量が大きいと思いませんか?

また、銀行カードローンなのに、保証業務や審査業務を行なっているのは同じ無担保融資を行なっている消費者金融という関係性もおもしろいのではないでしょうか。

こういった関係性を知っておくと、自分がカードローンに申し込むときに有利になることもあります。

アコムが保証会社となっている銀行カードローンに申し込む場合は、過去にアコムで返済トラブルを起こしていたら審査通過は難しくなりますし、延滞せずに完済していたら「お金をきちんと返してくれる優良顧客」となるでしょう。

申し込みをする前に保証会社もチェックしてみて、問題がないことを確認してみてください。


 
 
     

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